糸リフトとはスレッドリフトとも呼ばれており、特殊な糸を使うことで切らずにたるみやしわの改善が期待できる施術のことを指します。
メスを使用しないことからダウンタイムなどの傷跡が残りにくいメリットがあり注目されています。
そこで今回は糸リフトについて詳しくご紹介します。
糸リフトとは
糸リフト(スレッドリフト)は、皮下組織に特殊な糸を挿入し、肌を内側から持ち上げることでたるみやシワを改善する美容施術です。
この方法は外科手術に分類されますが、切開を伴わないため、リスクやダウンタイムが小さいという大きな利点があります。
糸の種類には多様性があり、日本では体内で自然に溶ける糸が主に使われますが、溶けない糸を使用するクリニックも存在します。
糸リフトはフェイスラインの引き締めや顔全体の若返り効果が期待でき、患者の満足度も高いため、小顔効果や顔の若返り治療として広く受け入れられています。
特に幅広い年齢層に人気の施術で、日本国内外で注目されている美容医療の一つです。
糸リフトで期待できる効果・メリット
ここでは、糸リフトで得られる効果やメリットについてご紹介します。
ほうれい線やたるみが改善する
糸リフトは、特殊な糸を使用して顔のシワやたるみを改善する美容医療です。
この糸にはコグ(突起)がついており、皮膚を引っ掛けて持ち上げることで、ほうれい線や顔のたるみなどを効果的に改善します。
日本美容外科学会によると、糸リフトは顔のシワやたるみを治療する方法として認められています。
特にTAクリニックグループが提供する「TAC式ツヤ肌コラーゲンリフト極®」は、シワやたるみに対する改善効果が高いとされており、35歳以上のミドル世代に人気があります。
小顔効果
糸リフトは、フェイスラインのリフトアップと小顔効果を提供する美容施術で、皮膚と皮下組織を引き上げることにより、たるんだフェイスラインをシャープにします。
この施術は、ぼやけた輪郭を明瞭にし、顔の全体的な印象を若々しく見せる効果があります。第139回日本美容外科学会での報告によれば、その効果は科学的にも支持されています。
クリニックによっては患者一人一人の顔立ちに合わせた小顔整形ができるような施術方法を用意し得ているところもあります。
これらの施術は、フェイスラインの脂肪や筋肉に直接アプローチし、個々の美容目標に応じたカスタマイズが行われます。
肌質改善
糸リフトは、皮下に特殊な糸を挿入することで、直接的なリフトアップ効果とともに肌質の改善効果も期待できる美容施術です。
この糸が皮下組織に刺激を与え、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。
これにより、肌のハリやツヤが回復し、シワやたるみが改善されます。
特にいくつかの施術を組み合わせた複合治療は、相乗効果を生み出し、高いエイジングケア効果を実現します。
肌質改善は1〜2ヶ月後にその効果が現れ始めるため、持続的な改善が期待できると評価されています。多くの患者様からの高い満足度がこれを証明しています。
糸リフトの糸の種類による効果の違い
糸リフトは糸の種類によって効果が異なります。
ここでは、それぞれの特徴や効果についてご紹介します。
リフトアップ効果
糸リフトでは、糸の長さ、太さ、柔軟性、コグの形状、挿入する糸の本数がリフトアップ効果に影響を与えます。
引き上げ力が弱い糸では望んだリフト効果が得られないことがありますが、力が強い糸の使用では皮膚の凹みやひきつれが生じるリスクもあります。
これらの問題は、糸を適切な皮下脂肪層に正確に挿入し、正しい方向とテンションで施術を行うことで最小限に抑えることが可能です。
肌のハリ・ツヤ
糸リフトは皮下脂肪層に糸を挿入することで肌のハリやツヤを改善しますが、改善の度合いや持続期間は糸の種類に依存します。
リフトアップだけでなく肌質改善も求める場合、診察やカウンセリングで具体的な希望を明確に伝えることが重要です。
糸リフトの持続期間
糸リフトの効果の持続期間は、使用する糸の種類によって異なり、通常は半年から2年間です。
この期間の違いは主に糸が体内で吸収される速度に由来します。
糸リフトに用いられる主な素材にはPDO(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLLA(ポリ乳酸)があり、これらの素材ごとに吸収される速度が異なるため、効果の持続期間も変わってきます。
糸の持続期間は、糸が皮膚組織内に存在する時間を指し、この間に肌質の改善が見込めるものの、引き上げ力自体は時間と共に減少していくことが一般的です。
したがって、持続期間が長い糸を選択したからといって、必ずしもリフトアップ効果が継続するわけではありません。
引き上げ力が必要な場合には、持続期間だけでなく、その糸の引き上げ力の強さや、その他の肌に与える効果も考慮して選ぶ必要があります。
このため、糸を選ぶ際には持続期間の長さだけで判断せず、総合的な効果や自分の求める結果に合った選択を行うことが重要です。
糸リフトのダウンタイムは1~2週間程度
糸リフト施術後のダウンタイムは通常1〜2週間程度で、施術直後から3日間は腫れや内出血、痛み、引きつれ感が最も強く現れる可能性があります。
施術後の腫れは、1日目が最も強く、1週間後には大幅に減少し、1ヶ月後にはフェイスラインが明確に整い、輪郭がシャープになることが多いです。
内出血についても同様で、発生した場合は約1〜2週間で自然に解消されることが一般的ですが、腫れと比べると少し長持ちする場合があります。
これらのダウンタイム中の症状は個人差があり、全ての人に均等に現れるわけではありませんが、多くの場合、日常生活に大きな支障を来すほどではなく、多少のメイクでカバー可能な程度です。
糸リフトの魅力の一つに、比較的ダウンタイムが短いことが挙げられ、これが多くの患者様にとって大きな満足点となっています。
そのため、リフトアップ効果とともに、短いダウンタイムからの早い回復も糸リフトが好まれる理由の一つです。
糸リフトの施術の流れ
ここでは、糸リフトの施術の流れについてご紹介します。
カウンセリング・マーキング
糸リフトではまず、カウンセリングを行います。
そしてカウンセリングで把握した希望に沿って医師がデザインを施し、どこの部位からどのように施術するのか、目星をつけるマーキングを行います。
麻酔
クリニックや施術方法にもよりますが、局所麻酔に加え、笑気麻酔、静脈麻酔など、希望などに合わせ、適切な麻酔をおこないます。
針・糸の挿入
麻酔の効きを確認したら、糸リフト専用の針をマーキングに沿って刺入し、専用の医療用糸を挿入します。
抜糸
最後に皮膚を押さえながら針を引き抜き、挿入した糸を調整します。
糸リフトのメリット
ここでは、糸リフトのメリットについてご紹介します。
ダウンタイムが短い
糸リフトの大きなメリットは、ダウンタイムが非常に短いことです。
糸リフト後の痛みや違和感は約1〜2週間で軽減し、1か月程でほとんど気にならなくなります。
これに対して、切開リフトのダウンタイムは2〜3か月と長く、回復期間も長引きます。
糸リフトは日常生活に早く復帰できるため、忙しい方にも適しており、手術の翌日から普段通りの生活が可能な点が魅力的です。
傷跡が目立ちにくい
糸リフトは、手術の傷跡が目立ちにくいという大きなメリットがあります。
この施術では、頬を引き上げる糸をこめかみや髪の生え際から細い針で挿入するため、傷跡は小さな注射跡ほどの大きさに留まります。
切開リフトに比べて傷跡が目立ちにくく、治りも早いです。
手術後の傷跡は1〜2週間でかさぶたが取れ、きれいに治ります。
また、傷跡が気になる場合はメイクやばんそうこうで容易に隠すことが可能です。
メスを使わずに施術できる
糸リフトはメスを使わないため、切開による傷跡が小さく、回復も早いというメリットがあります。
手術後の傷跡や痛みに対する不安がある人には特に適しています。
また、糸リフトでは細い針を用いるため全身麻酔の必要が少なく、手術が小規模で済むことから、手術後のむくみが残る期間も短くなるという利点があります。
施術直後に効果を感じやすい
糸リフトは施術直後からたるみが引き上げられ、即座に効果を実感できるため、短期間で見た目を変えたい人に最適です。
通常、ダイエットや化粧品では効果が出るまでに数ヶ月かかることが多いですが、糸リフトはすぐに顔のもたつきやたるみを改善します。
施術後1〜2週間は腫れやむくみが生じることがありますが、これが解消されると頬や口角の位置が高くなり、顔全体が引き締まった印象になります。
ただし糸リフトのリフトアップ効果は持続期間が限られており、溶ける糸の場合は約半年から1年半、溶けない糸では約2〜3年です。
効果がなくなると再度施術が必要になるため、切開リフトに比べ頻繁なメンテナンスが必要であり、それが手間と感じる人や総コストが高くなることを考慮する必要があります。
糸リフトでよくある失敗例
糸リフトでは人や施術によっては、「失敗した」「思ったのと違う」などのケースが発生します。
ここではおもな糸リフトによる失敗についてご紹介します。
顔表面の凹凸・よれ
糸リフト施術後に初めての凸凹やよれは、施術直後の腫れが引いた後に顕著になることがありますが、これらの症状は時間が経過するにつれて自然に改善される傾向にあります。
大手のクリニックでは高い技術力を持つ経験豊富な医師が施術を行うため、施術後の皮膚表面の凸凹が起こりにくく、患者様が安心して施術を受けられる体制を整えていることが多いです。
また、他院での糸リフトによる不満や失敗を経験された方に対しては、セカンドオピニオンとして対応し、新たな改善策を提案してくれるようなクリニックもあります。
施術前とあまり変わらない
糸リフト後に期待されるリフトアップ効果が得られない主な原因の一つは、顔の皮下脂肪が多すぎることです。
皮下脂肪の量が多いと糸にかかる負担が増え、糸リフトの効果が十分に発揮されないことがあります。
クリニックでは脂肪が多い方に対して、事前のカウンセリングで顔の脂肪除去や脂肪吸引を提案し、効果的なリフトアップを実現してくれるところもあるので相談してみるといいでしょう。
また、元々皮膚が柔らかい方では、糸リフトの引き上げ効果が出にくく、効果の持続も短くなる傾向があります。
これは柔らかい皮膚では糸のコグが皮膚にしっかりと引っ掛からず、期待するリフトアップが難しいからです。
このような場合、繰り返しのショッピングリフトを行い、コラーゲンの生成を促して皮下組織を強化することが推奨されます。
これにより、持続可能なリフトアップ効果を期待することができます。
顔の引きつり
糸リフト施術後のひきつれは通常、施術直後から始まり、ピークは術後2~3日目に見られます。
この症状は、皮膚が糸に馴染むまでの1~2週間続くことがありますが、個人差があるものの、時間が経過するにつれて徐々に軽減します。
頬がこけて見えてしまった
糸リフト単独では頬がこけることはほとんどありませんが、皮膚のよれによって一時的にこけて見えることがあります。
このよれは時間が経過すると自然に馴染むため、心配しなくても良いケースがほとんどです。
ダウンタイム中に強い痛みが長引く
糸リフトの痛みは術後1~3日でピークを迎え、通常は1週間程で治まります。
痛みは通常軽度で、痛み止めを必要とすることは少ないですが、ピーク時には内服することもあります。
もし痛みが1週間以上続く場合や我慢できないほどの痛みがある場合は、施術を受けたクリニックに連絡することが重要です。
顔の左右バランスが異なる
糸リフト後の顔の左右差は通常、術直後に一時的に生じることが多く、これは麻酔液の影響や糸挿入による刺激からくる腫れによるものです。
この腫れは通常、時間が経つにつれて収まります。もし2週間後も左右差が残る場合、それはもともとの顔の骨格や脂肪の偏りが原因である可能性が高いです。
糸リフトを検討する際は、医師の経験と技術力が重要で、症例数が多い医師に相談することで、術後の左右差を最小限に抑えることができます。
糸リフトはクリニックに相談してみよう!
今回は糸リフトについて詳しくご紹介してきました。
糸リフトはメスを使わないことやダウンタイムが短いことから安心できる方法として人気を持たれています。
しかしなかには、「思ったような効果が得られなかった」といった声も少なくありません。
糸リフトで後悔しないためにはクリニックや医師選びが重要です。
今回の記事で興味を持った方はまずクリニックにカウンセリングを受けてみるといいでしょう。