ボトックスは、咬筋の異常な発達により顔の輪郭が大きく見える問題に対処する美容治療です。
特に歯ぎしりや強く歯を噛みしめる癖のある人がエラ張りの症状を示すことが多く、治療によって咬筋にボトックスを注入して筋肉を弛緩させ、無意識の食いしばりや噛みしめを防ぎ、結果的にエラの張りを目立たなくさせる効果が期待できます。
しかしボトックスの効果は翌日からは出ないことがほとんど。
そこで今回は、ボトックスの効果や持続期間、具体的な効果などについてご紹介します。
ボトックスとは
ボトックスは、ボツリヌストキシンという成分を用いた美容施術で、極細の針を使用して特定の筋肉に注入し、その動きを緩めることでしわの軽減や顔の形状を整える効果があります。
特に眉間のしわ、目尻のしわ、額のしわの改善やエラの張りを緩和し、小顔効果を得ることができます。
ボトックスという名称はアメリカFDAに認定されているアラガン社製「ボトックスビスタ」を指しますが、他にも同様の効果を持つボツリヌストキシン注射のジェネリック医薬品も存在し、これらは一般的にボトックスビスタよりも安価で提供されています。
これにより、様々な製剤の選択肢から、個々のニーズや予算に合った治療を選ぶことが可能です。
ボトックスで得られる効果
ボトックス注射は、多くの美容および医療的な利点を提供し、さまざまな部位への効果が期待できます。
この注射は主に、眉間、目尻、額、顎の表情じわ、エラの張り、多汗症の治療、肩こり、ふくらはぎの筋肉の縮小、ガミースマイル(歯茎が目立つ笑顔)の改善に効果的です。
まずボトックスには表情によるじわを減らすことができ、咬筋に注入することでエラの張りを和らげ、より細くシャープな小顔効果が得られます。
また、脇の下に注射することでアセチルコリンの分泌を抑え、過剰な発汗を制御します。
ほかにもふくらはぎの筋肉を縮小させることでスリムなレッグラインを形成したり、肩こりの改善も期待できるため、美容だけでなく機能的な改善も見込めます。
ボトックスのリスク・副作用
ボトックス注射の副作用にはいくつかありますが、大半は軽度で一時的なものです。
目元や口元など皮膚が薄い箇所では内出血が起こりやすく、これは2~3日から最長で1週間続くことがありますが、メイクでカバー可能です。
また、腫れやむくみ、吐き気やめまいもごく少数に見られる副作用で、大抵は1日で改善します。
重大な副作用として、表情がなくなる、噛めなくなる現象がありますが、これは使用量や注入部位の誤りによるもので、通常は6~8ヶ月で回復します。
過剰な施術によるコウモリ顔やスポックフェイスなど、表情に違和感を覚えることもありますが、これは適正な使用を超えた場合に起こり得る現象です。
上記の副作用を避けるためにも、医師の指示に従い、適切な治療計画のもとで施術を受けることが重要です。
ボトックスの効果を感じられるのは数日程度かかる
ボトックス注射の効果は注射後2~3日で現れ始め、約2週間後には安定するのが一般的だといわれています。
主成分であるA型ボツリヌス毒素は筋肉の収縮を弱める作用があり、これにより表情ジワが形成されるのを防ぎます。
効果の現れ方は治療の種類によって異なり、例えばふくらはぎの細化は約2週間から1ヶ月、多汗症の改善は約1週間で効果が感じられます。
各治療によって効果が安定するまでの時間が異なるため、具体的な期待を持つことが重要です。
ボトックスの効果の持続期間はおおよそ4~6ヶ月程度
ボトックス注射の効果は一般的に約4~6ヶ月持続しますが、時間が経過すると体内で分解されるため、永続的な効果はありません。
効果が薄れると、筋肉の収縮が再開し、治療前の状態に戻ってしまいます。
ボトックスの効果を長持ちさせる方法
ここでは、ボトックスの効果を長持ちさせる方法についていくつかご紹介します。
自分に合った製剤を選ぶ
ボトックスは世界中で生産されており、アメリカ、ヨーロッパ、韓国などからさまざまな製剤が市場に供給されています。
各製剤は品質や価格が異なるため、クリニックでのボトックス治療を受ける際には、使用される製剤の種類を確認することが重要です。
特に著名な製剤としては、アラガン社製のボトックスビスタがあり、これは世界80カ国以上で治療承認を取得し、1,000万人以上の症例実績を持ちます。
日本ではこの製剤が唯一、厚生労働省からの認可を受けています。
クリニックによっては異なる製剤を扱っていることもあるので、カウンセリング時に医師に相談し、製剤の特徴や価格を比較検討して選ぶことが望ましいです。
施術箇所を刺激しすぎない
ボトックス注射後は、注入部位を圧迫したりマッサージをする行為は避けるべきです。
これは、マッサージによって体温が上がり、ボトックスに含まれるボツリヌス菌が熱によって機能を失い、注射の効果が減少するためです。
さらに、マッサージによってボトックスが注入部位から広がってしまう可能性があり、これも効果を低下させる原因となります。
したがって、ボトックス注射後は、治療した部位の圧迫やマッサージを控え、正確な位置での効果を保持することが重要です。
このように適切なアフターケアを行うことで、ボトックスの効果を最大限に引き出すことが可能となります。
定期的にボトックス注射を受ける
ボトックス注射の効果を長持ちさせるためには、定期的に再注入を行うことが重要です。
一般的に、ボトックスの効果は3〜6ヶ月持続しますが、効果が完全に消失する前に次の注射を受けることが推奨されます。
これにより、効果の維持が容易になり、繰り返し治療を受けることでより長期間その効果が安定します。
ボトックスの注入頻度は個人の体質や施術箇所によって異なるため、最適なスケジュールを決定するには医師との十分な相談が必要です。
ほかの美容医療と並行しておこなう
ボトックス注射は他の美容医療と組み合わせることで、さらに高い効果を得ることが可能です。
特にヒアルロン酸注入との併用が一般的で、ボトックスが表情によるじわへ効果を発揮するのに対し、ヒアルロン酸は無表情時のしわにアプローチします。
これにより、表情じわだけでなく、深いしわの改善も期待でき、全体的に若々しい印象を得ることができます。
ただし、ボトックス注射後に他の美容医療を受ける際は、1〜2週間の間隔を空けることが推奨されることが多いため、施術を受けるクリニックでの確認が必要です。
様々な施術を組み合わせることで、より効果的な美容成果を目指すことができます。
ボトックスの効果を下げるNG行動
ボトックスの施術後にはやってはいけないこともあります。
間違った過ごし方をしてしまうと、効果を感じられなかったり、ダウンタイムの症状が悪化する可能性もあるので要注意。
ここでは、ボトックスの効果を下げるNG行動についてご紹介します。
術後はすぐに横にならない
ボトックスの施術後は、注入した製剤が移動してしまうリスクを避けるために、少なくとも4時間は横にならないように注意が必要です。
横になると製剤が流れ出し、施術部位に定着せず、期待される効果が得られない可能性があります。
施術当日~数日後までは入浴やサウナはNG
ボトックス施術後の当日から3日間は、体を過度に温める行為を避けることが重要です。
長時間の入浴、サウナ、岩盤浴はボトックスの効果を薄れさせるリスクがあり、施術部位の内出血を引き起こす可能性もあります。
ボトックスは熱に弱いため、施術後はシャワーの使用を推奨し、体温が高くなるような環境は避けましょう。
激しい運動・飲酒
ボトックス施術後は、血流を良くし体温を上げる激しい運動や飲酒も避けるべきです。
これらの行為は腫れや内出血を悪化させる可能性があるため、安静にすることが推奨されます。
日常的に運動する習慣がある方は、施術後数日間はウォーキングやストレッチなど軽い運動に留め、体を無理に動かさないよう注意しましょう。
肌を刺激するようなマッサージやエステ
ボトックス施術後は、マッサージやエステを受けることは推奨されません。
これらの施術が強い刺激となり、ボトックス製剤が施術箇所に定着せず、流れ出してしまう可能性があります。
製剤が適切に定着しないと、期待される効果が薄れるだけでなく、製剤が流れたことにより他の部位に作用してしまい、不自然な仕上がりになるリスクもあります。
そのため、ボトックスの効果が安定するまで、マッサージやエステは避けることのが無難です。
ボトックスの効果は徐々に薄れるため定期的に受けるのが大事!
今回は、ボトックスの効果や持続期間、具体的な効果などについてご紹介してきました。
ボトックスは小顔効果や表情ジワ、多汗症などのさまざまな悩みを解決するのに効果的です。
ボトックスの効果は一般的に治療から約2〜3日経過すると効果が現れ、約1~2週間でボトックス注射の効果を実感できるといわれています。
効果は4~6ヶ月ほどしか持続しないため、長持ちさせたい場合は定期的にボトックス注射をするのがおすすめです。