ボトックス注射は、メスを使わずに整形できることからプチ整形と呼ばれています。
比較的ボトックスは副作用やダウンタイムによる影響が少ないと言われていますが、全くないわけではありません。
したがって、施術を受けるタイミングを決めるためにも、ダウンタイムについて前もって正しい知識を身に着けておくことが大事です。
そこで今回は、ボトックスのダウンタイムについての症状やダウンタイム中の過ごし方についてご紹介します。
ボトックスとは
ボトックスはボツリヌス菌由来のタンパク質を利用した施術で、筋肉の動きを抑制することによりシワを改善します。
一見「毒」と聞くと危険に感じるかもしれませんが、使用されるボトックスは非常に微量であり、さらに安全な濃度に調整されているため、美容皮膚科での使用は安全です。
ボトックス注射の最大の特徴は、表情によってできる眉間の縦じわや目尻の笑いじわなどのシワを目立たなくする効果があります。
これにより、より若々しくハリのある肌を取り戻すことができ、シワの予防にもつながります。
また、ボトックスとは異なり、ヒアルロン酸注射はヒアルロン酸を直接肌に注入し、水分を保持することで肌をふっくらさせる効果があります。
ボトックスが筋肉の動きを抑制してシワを改善するのに対し、ヒアルロン酸注射は直接的に皮膚をボリュームアップさせるため、用途に応じて選ぶことが重要です。
どちらの治療も美容皮膚科において重要な役割を担っており、適切に使用すれば肌の若返りや美容向上に大きく寄与します。
ボトックスのダウンタイムのおもな症状
ボトックス後のダウンタイム中の主な症状には以下のものが挙げられます。
内出血
ボトックスは注射針によって細い血管が傷ついた際に内出血が生じる可能性があります。
適切に圧迫することで内出血を軽減できることがあります。
赤み・腫れ・アレルギー
ボトックス注射は針を使用するため、注射部位に一時的な内出血や腫れが生じることがありますが、通常1週間程度で改善されることがほとんどです。
使用される針は非常に細いため、傷跡が残る心配はほとんどありません。
ただし、1週間以上症状が改善されない場合は施術を行ったクリニックに相談することが重要です。
また、稀ですがボトックス製剤に対してアレルギー反応が生じることがあり、腫れやかゆみ、赤みが出ることがあります。
アレルギー反応は1週間から1ヶ月程度で消失することが多いですが、症状が長引く場合には医師に相談することが必要です。
これらの情報を把握し、必要に応じて医療機関での適切な対応を求めることが大切です。
表情がひきつる
ボトックス注射は経験豊富な医師による施術が重要です。
筋肉の量や顔の左右差に適切に対応しないと、表情が不自然になったり、笑顔が作りにくくなることがあります。
不適切な注射は修正が難しく、ボトックスの効果が自然に切れる数ヶ月間待つ必要があります。
トラブルを避けるためにも、クリニック選びは慎重に行うようにしましょう。
皮膚のたるみ
ボトックス注射は、筋肉を緩めて顔を小さく見せる効果がありますが、施術方法によっては皮膚のたるみを引き起こすリスクもあります。
特に年配の方や皮膚の弾力が低い方では、筋肉のサポートが減少することで皮膚が余ってしまい、たるみが目立つようになることがあります。
適切な注入量や技術によって、このようなリスクを最小限に抑え、美しい仕上がりを目指す必要があります。
施術者の経験と知識が不足している場合、不適切な注射が行われ、皮膚のたるみが逆に老けた印象を与えることになりかねません。
そのため、ボトックス注射を検討する際は、施術者の資格や経験を確認することが重要です。
噛みづらくなる
噛む筋肉へのボトックス注射が過剰になると、硬いものを噛むのが難しくなります。
特に噛む筋肉に筋力のアンバランスが生じた場合、噛み合わせに影響が出て全体のバランスが崩れることがあります。
注射の量の調整が不適切だった場合に起こりやすくなるとされています。
ボトックスのダウンタイム期間
ボトックス注射のダウンタイムは通常1〜3日程度で、注射後の腫れや赤み、内出血は約1週間で解消します。
効果は数日後から現れ、約1か月で安定しますが、初めの数週間はつっぱり感を感じることがあります。
もし1か月経過後も異常が見られる場合は、医師に相談することが重要です。
また、施術直後は顔を強く洗ったりマッサージすることがダウンタイムを長引かせる原因となり得るため、施術部位を刺激する行為は避けるべきです。
ダウンタイム中の過ごし方や注意を怠ると、ボトックスの効果が減少する可能性があるため、正しいアフターケアを心がけることが望ましいです。
ボトックスのダウンタイムが短い理由
ボトックスのダウンタイムはメスを使用する施術と比較して非常に短く、数時間から数日程度で済む場合が多いです。
これは、ボトックスが表皮を傷つけず、直接皮下に有効成分を注入する方法だからです。
またボトックスではメスを用いた手術では表皮や真皮、皮下組織を切開するため、回復には長い時間が必要であり、縫合や抜糸も必要になりますが、ボトックスでは不要で表皮へのダメージも最小限に抑えられるメリットがあります。
ボトックス注射を安全に行うためには、注入箇所と量を正確に把握できる技術と知識を持つ医師による施術が重要です。
多くのクリニックでは、十分な訓練を受けた医師が担当するため、副作用のリスクは低く、ダウンタイムが長引くことは少ないです。
ボトックスのダウンタイム中にやってはいけないこと
ボトックスはダウンタイムが短い施術であるものの、施術後に間違った行為をすると副作用が強く表れる恐れがあるため注意が必要です。
具体的には以下の行動は避けるようにしましょう。
肌を刺激する
肌を摩擦すると、周囲の部位へとボトックスの薬剤が分散する恐れがあるため注意が必要です。
効果が低下する原因になるため、施術後3日は摩擦しないように過ごしましょう。
また、マッサージも同様に薬剤が分散する恐れがあるため、同様に控えるのが無難です。
洗顔をやりすぎる
ボトックス施術後は治療箇所が刺激に弱くなっており、過度な洗顔によって炎症を引き起こす可能性があります。
施術直後は軽度の赤みや腫れが見られることもあり、摩擦によりこれらの症状が悪化し、回復が遅れる恐れがあります。
そのため、ダウンタイム中は過度な洗顔を避け、ナチュラルメイクを心がけ、洗顔時には十分に泡立てた洗顔料を使用し、ぬるま湯で優しく洗うことが推奨されます。
丁寧なケアを行うことで、ダウンタイムを安全に乗り越えることができます。
うつ伏せになる
摩擦やマッサージなどを避けていても無意識のうちにうつぶせに寝てしまい、施術部位を圧迫することがあるため注意が必要です。
普段からうつぶせに寝る傾向がある人は、とくに意識的に仰向けや横向きに寝るように意識するようにしましょう。
激しい運動・飲酒・長い入浴
ボトックス施術後は、激しい運動、アルコール摂取、熱いお風呂を避けることが重要です。
これらはいずれも血行を促進し、ボツリヌストキシンという熱に弱いタンパク質を使うボトックスの効果に影響を与える可能性があるためです。
激しい運動は施術後3~4日は控え、アルコールは内出血や腫れのリスクを高めるため、施術当日は特に避けるべきです。
また、入浴はシャワー程度に留め、熱いお湯は避けるようにしましょう。
ボトックスの施術を受けられない人もいる
ボトックスは、以下の特徴に当てはまる場合、施術を受けることができないので注意が必要です。
- 妊娠中
- 妊娠の可能性がある
- 授乳中
- 全身性の神経・筋肉の疾患がある
- 血液凝固異常のある
- 施術当日に体調不良
また、施術後3ヵ月間は避妊することが望ましいとされています。
これは、ボトックスが胎児に何らかの影響を及ぼす可能性があるためです。
ただし、研究によりボトックスが胎児に大きな影響を及ぼさないとの見方が強まっているため、避妊についてカウンセリング時に伝えないクリニックもあります。
気になる方は事前に担当医やクリニックに相談してみるといいでしょう。
ボトックスのダウンタイム中に違和感があればクリニックに相談しよう
今回は、ボトックスのダウンタイムについての症状やダウンタイム中の過ごし方についてご紹介してきました。
ボトックス注射は短時間で施術が終了し、ダウンタイムも短いためなるべく負担が少なめの施術を探している方にとっては人気の美容施術といえます。
ボトックス注射のダウンタイムは通常1〜3日程度で、注射後の腫れや赤み、内出血は約1週間で解消することがほとんどです。
しかし、副作用には個人差があり、場合によっては想定以上の副作用症状が現れたり、ダウンタイムが長引いたりすることもあります。
ボトックスのダウンタイム中は激しい運動や血行を良くする行動は避けるのが無難です。
もし施術後に気になる症状や違和感がある場合は、医師にすぐ相談するようにしましょう。