豊胸手術は1日で理想のバストを手に入れられると話題の手術で、ふっくらとしたバストに憧れる人から注目されています。
しかし、豊胸手術にはメリット・デメリット、さまざまな施術の種類があります。
そこで今回は、豊胸手術について、施術の種類や特徴についてご紹介します。
豊胸手術の種類
豊胸手術とは、バストのサイズや形状を調整するための手術方法です。
しかし豊胸手術とひとくちにいってもさまざまな種類があります。
ここでは、それぞれの豊胸手術の種類についてご紹介します。
シリコンバッグ豊胸手術
シリコンバッグ豊胸手術は、シリコンバッグをバストに挿入する手法です。
シリコンバッグにはシリコンジェルや生理食塩水が充填されていますが、生理食塩水のものは不自然な感触のため日本ではほとんど使用されていません。
豊胸用のシリコンバッグには涙形の「アナトミカル型」とおわん形の「ラウンド型」があり、日本では自然な感触のラウンド型が一般的です。
また、バッグの表面には滑らかな「スムースタイプ」とざらついた「テクスチャードタイプ」があり、スムースタイプはカプセル拘縮防止のためマッサージが必要です。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、専用のヒアルロン酸を注射してバストを大きくする方法です。
この手法は、メスを使った手術に不安を感じる方や傷を残したくない方、一時的なバストアップを希望する方に適しています。
施術時間は約15~30分と短く、施術後はすぐに効果が現れるため、ダウンタイムがほとんどなく、終了後すぐに帰宅可能です。
脂肪注入豊胸術
脂肪注入豊胸術は、自身のお腹や太ももから採取した脂肪細胞をバストに注入する手法です。
この方法で脂肪を吸引する際には、カニューレという細い管を使用し、吸引した脂肪は注射器でバストに注入されます。
メスを用いないためバスト周辺に傷が残ることはありません。
ただし、施術に必要な脂肪量が採取できない場合には施術が行えないため、痩せ型の人は施術を受けられない可能性があります。
豊胸手術のメリット・デメリット
ここでは、先にご紹介した豊胸手術の種類ごとそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
シリコンバック豊胸手術のメリット
シリコンバッグ豊胸手術は、著しいバストアップ効果が得られる手術方法で、自由に選べるバストの大きさにより2サイズ以上の増量が可能です。
シリコンバッグは形状や種類が100種類以上と豊富で、個々の希望に合わせて理想的なバストの形を実現できます。
また、シリコンバッグは脂肪やヒアルロン酸のように体内で吸収されることがないため、一度挿入すると効果は半永久的に持続します。
しかし、劣化や外的影響で破損する可能性もあるため、10年ごとの取り替えや定期的な検査が推奨されています。
これにより、長期間にわたって安定したバストを維持することが可能です。
シリコンバック豊胸手術のデメリット
シリコンバッグ豊胸手術には複数のデメリットがあります。
まず、感触が硬かったり、動きが不自然だったりすることがあり、脂肪注入豊胸術と比べると手触りや動きで劣る場合があります。
しかし、挿入方法や箇所の工夫により、これらの問題はある程度改善可能です。
また、シリコンバッグを異物と判断する体の反応として、カプセル拘縮が発生することがあります。
シリコンバッグ周囲に硬い被膜が形成される現象で、施術者の約10%が経験するとされ、症状の悪化を防ぐためにはマッサージや場合によってはバッグの抜去が必要になることがあるため中が必要です。
さらに、シリコンバッグは外部からの衝撃や経年劣化によって破損するリスクも伴います。バッグが破損した場合には、除去手術が必須となります。
ちなみにシリコンバック豊胸手術のダウンタイムとして術後の痛みや腫れがあり、通常2週間から4週間程度続きますが、この期間は活動制限が必要で、特にバッグの位置が安定するまでの半年間は注意が必要です。
以上のリスクを理解し、慎重に手術を検討することが重要です。
脂肪注入豊胸術のメリット
脂肪注入豊胸術は、自己の脂肪を利用するため拒絶反応が少なく、自然な手触りと見た目が得られることが大きなメリットです。
この方法では、採取した脂肪を注射器でバストに注入するため、大きな切開を必要としないので、ほとんど傷跡が残らず、術後の痛みも比較的軽微です。
また、自身の脂肪を使用するため、体に馴染みやすく、一度定着すれば長期にわたって形が保たれる傾向にあります。
そのため、自然な仕上がりを求める方や、手術痕を極力避けたい方、メスを使った手術に抵抗がある方にとって適した選択肢と言えます。
特に、豊胸手術を受けた事実を隠したい方にはおすすめの方法です。
脂肪注入豊胸術のデメリット
脂肪注入豊胸術は、大幅なバストアップを望む場合には不向きです。
注入できる脂肪の量には限りがあり、多すぎると定着しないリスクやしこりが発生する可能性があります。
通常、1~2カップのサイズアップが限界で、それ以上を望む場合は複数回の手術が必要です。
また、痩せ型の人では必要な脂肪を確保できず、手術自体が不可能な場合もあります。
ヒアルロン酸注入のメリット
ヒアルロン酸注入はメスを使わず、約15~30分で終わる手軽な施術です。
傷跡が残らず、術後の痛みも少ないため、心身への負担が少ないです。
腫れや内出血が生じることもありますが、通常2週間程度で改善します。
また、他の豊胸手術と比べて費用がリーズナブルである点も、ヒアルロン酸注入の大きなメリットと言えます。
ヒアルロン酸注入のデメリット
ヒアルロン酸注入のデメリットとして、効果の持続性が低いことが挙げられます。
注入されたヒアルロン酸は時間と共に体内に吸収され、効果は数カ月から数年で失われます。
また、一度に多量のヒアルロン酸を注入すると、バストが固くなり不自然な外見になることがあり、実際に期待できるバストアップは1カップ程度です。
さらに、ヒアルロン酸の注入部位に皮膜が形成されしこりができるリスクや、発がんリスクが高まる可能性も指摘されています。
このようなリスクを理解し、手軽さだけでなく潜在的な問題も考慮して施術を選択することが重要です。
豊胸手術の費用相場
豊胸手術は自由診療であり、クリニックによって料金が自由に設定されるため、価格には幅広い差があります。
一般的に豊胸手術の費用相場は30万円から200万円と広範囲に渡ります。
脂肪注入豊胸術は50万円から180万円、シリコンバッグ豊胸術は50万円から120万円程度です。
特にシリコンバッグの種類によって価格が変動し、セレフォームやモティバなどの高耐久性バッグは80万円から140万円の範囲です。
ハイブリッド豊胸術、脂肪注入とシリコンバッグの組み合わせは、140万円から200万円となります。
一方、ヒアルロン酸注入は相対的にリーズナブルで、10ccあたり3万円から4万円、1サイズアップには約15万円から32万円が必要です。
これらの費用は、使用する材料や施術の複雑さによって異なります。
豊胸手術の流れ
ここでは、豊胸手術の施術の流れについてご紹介します。
シリコンバッグ豊胸手術
シリコンバッグ豊胸手術は、以下の流れで進むのが一般的です。
【手術前】
まずは問診と医師による診察で、患者の希望や不安点を確認します。
次に、バストの状態や体型に合わせて最適な手術方法とシリコンバッグの種類を選択し、バッグの触感を直接確認します。
また、血液検査を通じて健康状態や感染症の有無をチェックします。
【手術当日】
全身麻酔のもと、約1時間の手術を行います。
術後は数時間安静にし、医師の診察後、問題がなければその日のうちに帰宅可能です。
【手術後】
手術後は数回の通院で経過観察を行い、バストの状態や健康をチェックします。
初期には胸の痛みや内出血が生じることがあります。
年1回の定期健診でバストの状態と乳がん検診を行います。
脂肪注入豊胸術
脂肪注入豊胸手術は、以下の流れで進むのが一般的です。
【手術前】
医師が患者のバストの状態、希望、体型とのバランスを考慮して適切な施術プランを提案します。
【手術当日】
脂肪を吸引する場所(お腹、太もも、二の腕など)を決定し、施術のデザインを行いマーキングします。
静脈麻酔後、マーキングされた部位から脂肪を吸引します。この脂肪は不純物を取り除いた後、豊胸用に再利用されます。
さらに処理された脂肪を注射器を用いて少しずつ、均等に注入します。バランスを見ながら注入量を調整します。
【手術後】
手術後は数回通院し、医師による経過観察が行われます。
脂肪吸引部位の筋肉痛のような痛みがある場合もあるので、不安や痛みがあれば医師に相談します。
上記の手順により、脂肪注入豊胸術は比較的自然な仕上がりを実現し、体に傷跡を残さずにバストアップが可能です。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入手術は、以下の流れで進むのが一般的です。
【手術前】
バストの状態や希望などにもとづき、医師と注入量や部位を相談します。
なかには、カウンセリング来院当日に施術可能なクリニックもあります。
【手術当日】
局所麻酔をし、ヒアルロン酸を注射注入していきます。
施術後、問題がなければすぐに帰宅できます。
【手術後】
施術後2~3回ほど通院し、バストの状態や健康などを診察します。
豊胸手術でよくあるトラブル
豊胸手術は理想的なバストを手に入れられる反面、リスクもあります。
そこでここでは、豊胸手術でよくあるトラブルについてご紹介します。
バッグの破損
シリコンバッグによる豊胸手術で使用されるバッグは経年劣化や外部の衝撃により破損することがあります。
破損が起こると、乳房にくぼみが生じたり、皮膚が赤くなる、しこりができる、乳房の張りが失われ柔らかくなる、バストサイズが縮小し、いびつな形状に感じられるといった症状が現れます。
シリコンバッグの一般的な寿命は約10年とされていますが、それ以前にもトラブルが発生することがあります。
もしバッグの異常を感じた場合は、早急に医師の診断を受けることが重要です。
定期的な検査や早期の対応が将来的なリスクを軽減します。
バッグのずれ
シリコンバッグ豊胸手術後、バッグの位置がズレることがあり、その結果、胸の外側や上部が不自然に膨らんだり、胸が垂れることがあります。
これは、手術時にバッグを挿入するスペースの剥離が不十分だったり、カプセル拘縮が原因でバッグが押し上げられることによるものです。
胸の形が変形した場合、形を整えるために再手術が必要となることがあります。
石灰化・しこり
シリコンバッグ豊胸における石灰化は、バッグを包む被膜にカルシウム結晶が沈着し、乳房が硬化する現象です。
石灰化はシリコンバッグの破損リスクを高め、エコー検査での正確な診断を困難にします。
進行するとシリコンバッグの除去が困難になり、大掛かりな手術が必要になることがあります。
石灰化を感じたら迅速な受診が必要です。
脂肪注入豊胸では、不純物混入や過剰な脂肪注入によるしこりも石灰化の原因になり得るため、注意が必要です。
豊胸手術は自分の理想や体質に合わせて選ぶことが大事!
今回は、豊胸手術について、施術の種類や特徴についてご紹介してきました。
豊胸手術を選択する際は、目的や体質に合わせた手術方法を慎重に選ぶことが重要です。
手術前には不安や疑問を医師と十分に話し合い、納得の上で施術を受けましょう。
また、手術にはリスクが伴うため、信頼できる医師による施術を選び、クリニックの実績、衛生状態、アフターケアの体制を事前に確認することが大切です。