医療ダイエットは主に注射・内服薬・ダイエットマシン・脂肪吸引などによって、痩せられる方法として人気です。
しかし一方、医療ダイエットには「効果がない」「痩せない」といった声もあります。
そこで今回は、医療ダイエットが痩せないと言われる理由についてご紹介します。
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)とは
GLP-1ダイエットは、GLP-1というホルモンを利用した治療法で、もともとは2型糖尿病の治療薬として使用されています。
GLP-1は小腸で生成されるホルモンで、食事に反応して血糖を下げる効果があります。
ダイエット目的で用いるGLP-1受容体作動薬には内服薬と注射の形態があります。
この治療法は、脳に作用して食欲を抑制し、胃の活動を遅らせて満腹感を持続させるとともに、食後の血糖上昇を抑え脂肪分解を促進します。
アメリカやヨーロッパでは肥満治療にも認可されており、安全性が確認された薬剤として注目されています。
医療ダイエットは保険適用外
現在日本では、GLP-1ダイエットは基本的に保険適用外となっていますが、GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病治療薬としては保険適用が認められています。
2023年11月22日には、肥満症治療薬「ウゴービ」が新たに保険適用されることになりました。
この薬は、特定の条件を満たす肥満症患者に対して保険が適用されます。
具体的には、BMIが35kg/m2以上、またはBMIが27kg/m2以上で高血圧、2型糖尿病、脂質異常症のうち2つ以上を有する人が対象です。
ただし、単にスタイル改善を目的とする場合は保険適用外です。
「ウゴービ」の処方は2024年2月22日から可能となるため、適用可能かどうかは医療機関にて確認が必要です。
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)で痩せないと言われる理由
ここでは、医療ダイエット(GLP-1ダイエット)で痩せないと言われる理由についてご紹介します。
食事量が増えている
GLP-1ダイエットは、食欲を抑制し満腹感を促進する効果がありますが、過食を続けるとその効果が得られにくくなります。
「お薬を使っているから食べても大丈夫」という考えは間違いです。
GLP-1受容体作動薬は食事量の自然な減少をサポートするものであり、無制限に食べることを許容するものではありません。
適切な食事制限を行わずに高カロリー食や不規則な食事を続けると、効果が減少するため、健康的な食生活を心掛けることが重要です。
この治療は、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることで満腹感を持続させるため、食習慣を見直し、バランスの取れた食事を心掛けることで、効果を最大限に発揮することが可能です。
まったく運動をしていない
GLP-1ダイエットでは、適度な運動も必要です。
単にGLP-1受容体作動薬を投与するだけでは、筋力低下や基礎代謝の減少が起こり得るため、効果が限定的になりがちです。
基礎代謝が下がるとリバウンドのリスクも高まるため、運動を取り入れて筋力を保ち、代謝を促進させることが重要です。
もともと痩せている
GLP-1ダイエットは、主に糖尿病や肥満症治療に使用されるGLP-1受容体作動薬を用いる方法です。
日本ではこの治療が保険適用されるのは、BMIが35kg/m²以上、または肥満関連の健康障害が2つ以上ありBMIが27kg/m²以上の場合です。
これにより、もともと痩せている方やBMIが低い方には適していないことが明らかです。
元々痩せている人がGLP-1ダイエットを行っても、体重減少の効果は限定的であるため、他のダイエット方法の検討が推奨されます。
医療ダイエットは多種多様で、自身の体型や目的に適した方法を選択することが重要です。
用法・用量があっていない
GLP-1ダイエットでは、用法・用量の正確な守り方が重要です。
注射や内服薬の形態に応じて、医師や薬剤師の指示に従い正しく投与する必要があります。
また、GLP-1受容体作動薬は副作用として低血糖や胃の不快感が生じることがあるため、体調に異変を感じた場合は速やかに医師に相談し、適切な調整を求めることが大切です。
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)の効果を高めるポイント
先にも述べたように、医療ダイエット(GLP-1ダイエット)だけではなかなか効果は得られません。
そこでここでは、医療ダイエット(GLP-1ダイエット)の効果を高めるポイントについてご紹介します。
食事は栄養バランスを意識する
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)においては、食事の量が自然に減少する一方で、栄養バランスの良い食事を心がけることが重要です。
必須栄養素であるタンパク質、ビタミン、ミネラルを確実に摂取し、体調を維持しながら効果的にダイエットを進める必要があります。
食物繊維の豊富な食事は満腹感を促し、GLP-1ダイエットの効果を高めます。
また、栄養バランスを保つことは、ダイエット中の体調管理とリバウンド防止にも役立ちます。
栄養不足は体調不良や過食の原因となるため、食事内容の質を高めることが、医療ダイエットの成功に繋がると言えます。
ゆっくり噛んで食べる
GLP-1は食事時に分泌されるホルモンで、脳の満腹中枢を刺激し食欲を抑制します。
食事をゆっくり噛んで食べることにより、脳が満足感を感じやすくなり、自然と食事量が減少します。
また、ゆっくり食べることで消化と吸収が遅くなり、満腹感が長持ちしやすくなるため、無理なく食事制限が可能です。
食事をゆっくり楽しむことで食べる楽しみも増え、食事の質の向上にもつながります。
このようにして、GLP-1を活用することで、健康的な食生活を支援し、効果的に体重管理を行うことができます。
アルコールは控える
アルコールは高カロリーであり、過度な摂取はダイエットの障害になるだけでなく、血糖値のコントロールを難しくし、医療ダイエット(GLP-1ダイエット)の効果を低下させる可能性があります。
そのため、GLP-1ダイエット中はアルコールの摂取を控えめにすることが推奨されます。
加えて、アルコールは睡眠の質を低下させることがあるため、体のリカバリーや翌日のエネルギー供給に不可欠な良質な睡眠にも悪影響を及ぼすことがあります。
体調管理やエネルギー管理に悪影響を及ぼすことで、ダイエットの効果が損なわれる可能性があるため、医療ダイエットを行っている際は特にアルコールの過度な摂取は避けるべきです。
有酸素運動を取り入れる
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)と併せて有酸素運動を行うことで、ダイエットの効果を高めることができます。
有酸素運動は脂肪を燃焼し基礎代謝を高める効果があり、体重減少に効果的です。
運動を始める際は、まずは無理のない範囲から開始し、徐々に強度や時間を増やすことが推奨されます。
また、運動は心身の健康にも良い影響を与え、ストレス軽減、心の健康、免疫力向上など多岐にわたる利点があります。
このように、運動は医療ダイエットの効果を補強するだけでなく、総合的な健康増進に寄与するため、GLP-1ダイエット中に適切な運動を取り入れることが重要です。
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)のリスク・副作用
医療ダイエットにはさまざまなメリットがありますが、一方でリスクや副作用もあるので注意しなければいけません。
そこでここでは、医療ダイエットのリスクについてご紹介します。
副作用がある
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)は効果的ですが、副作用が発生する可能性もあります。
一般的な副作用には吐き気、嘔吐、便秘、低血糖症状が含まれ、これらの症状が現れた場合は使用を中止し医師の診察を受けることが推奨されます。
また、妊娠中の方、糖尿病患者、重度の胃腸障害を持つ方など、特定の健康状態にある人にはこのダイエット方法が適していない場合があります。
医療ダイエットを検討している方は、自身の健康状態や既存の病気、アレルギーを医師と十分に相談し、副作用が発生した場合には適切な対処を行う必要があります。
極端な糖質制限に注意
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)は食事量を自然に減らすことができますが、極端な食事制限は健康問題を引き起こす可能性があります。
厳しい糖質制限は特に栄養不足を招きやすく、便秘、貧血、抜け毛、月経不順などの症状が出ることがあります。
バランスの良い食事を心がけ、必要な栄養素を適切に摂取することが重要です。
糖質は体の主要なエネルギー源であるため、無理な制限は避け、適切な量を摂ることが推奨されます。
このように適度な糖質摂取を維持しながら栄養バランスを考慮した食事を取ることが、医療ダイエットの成功につながります。
決まった時間に自己注射する
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)では、2型糖尿病治療にも使用されるGLP-1受容体作動薬を用いて肥満を治療します。
この治療法は医師の診断を必要とし、自己注射が求められる場合があります。
そのため、自己注射は決められた時間に正確に行う必要があり、注射の方法や衛生管理が非常に重要です。
不適切な注射技術や不衛生な環境下での注射は感染症のリスクを増加させるため、正しい手順を学び、清潔な環境で実施することが求められます。
さらに、注射の頻度、タイミング、部位に関しても医師の指示に従い、適切に管理することが重要です。
不足した栄養素はサプリで補う
医療ダイエット(GLP-1ダイエット)では、食事量が自然に減るため、栄養素の不足が生じやすくなります。
このため、サプリメントを利用してタンパク質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養素を補うことが重要です。
サプリメント選びでは、品質が確かで信頼できる製品を選ぶ必要があります。
医師や栄養士のアドバイスを参考に適切なサプリメントを選ぶことが推奨され、これにより健康的なダイエットを支えることができます。
過度な飲酒はしない
過度な飲酒はダイエットの効果を阻害し、医療ダイエット(GLP-1ダイエット)の成果を低下させるリスクがあります。
アルコールはカロリーが高く、血糖値のコントロールを困難にするため、摂取を控えめにすることが推奨されます。
また、アルコールは肝臓や脳への悪影響だけでなく、睡眠の質を低下させることで翌日の体調やパフォーマンスにも影響を及ぼします。
健康的なライフスタイルを維持するためにも、適度な飲酒が重要です。
このような理由から、医療ダイエットを行う際にはアルコールの適切な管理が求められます。
正しい医療ダイエットで効果的に痩せよう!
今回は、医療ダイエットが痩せないと言われる理由についてご紹介してきました。
医療ダイエットは、脂肪吸引や注射、医療ハイフ、脂肪冷却、EMSなど多様な方法を提供しており、特に食事制限や運動では効果を感じられない方におすすめです。
GLP-1ダイエットは、食欲を抑制し血糖の急激な上昇を防ぐ薬を用いて体重減少を促しますが、糖尿病や肥満症の治療薬として使用されるため、適用外の方や副作用に注意が必要です。
効果的かつ安全な治療のためにも、医師の診断を受けながら進めることが成功へのコツです。
今回の記事を参考に正しい医療ダイエットで効果的に痩せましょう。