医療用ハイフは、レーザーやIPL、RF治療で届かない深部の皮下組織やSMAS筋膜に熱を与え、顔のリフトアップ効果を期待できる機器です。
肌の引き締めやコラーゲン生成にも効果があります。
一方で、名前が似ているエステハイフなどは医療用ハイフとは異なる機器で、より軽度の治療に留まり、失敗するリスクも含んでいることからハイフの選択には注意が必要です。
そこで今回はハイフの主な失敗例やおすすめしない人の特徴について解説します。
ハイフとは
ハイフは超音波エネルギーを用いて皮膚の表面にダメージを与えることなく、肌の内部、特に「SMAS筋膜」と呼ばれる深い層に照射します。
SMAS筋膜は表皮から約4.5mmの深さに位置し、この筋膜がゆるむと、肌の土台が支えられなくなりシワやたるみが発生します。
ハイフの照射により、熱がこの筋膜にダメージを与えることで、自然な修復過程が始まり、コラーゲンの生成が促されます。
この結果、肌の内部が引き締まり、たるみの改善やリフトアップ効果が期待できる治療法です。
ハイフの主な失敗例
ここでは、ハイフの主な失敗例や対処法についてご紹介します。
思ったような効果が見られなかった
高い費用を支払いながらも、ハイフの効果を感じられないという場合は、副作用が原因の可能性があります。
医療用ハイフでは、むくみ、腫れ、痛みなどの副作用が一時的に発生することがありますが、これらは通常数週間以内に改善される一時的なものです。
効果を即座に感じられない場合でも、急がず様子を見ることが大切です。
老け顔になった
リフトアップやシワ改善を目指してハイフ施術を受けたにも関わらず、術後に老けた印象になるケースがあります。
これは、患者さんの顔の脂肪量が関係していることが原因の一つです。
顔の脂肪がもともと少ない人は、ハイフによるリフトアップ効果が逆に老けた印象を与えてしまうリスクがあります。
ハイフは皮下組織や筋膜に作用するため、脂肪層が薄い場合、施術が顔のコケを引き起こし、老けた外見を招く可能性が高くなるのです。
このため、施術前には顔の脂肪量や筋膜の状態をしっかり評価することが重要です。
施術時に痛み・水ぶくれが生じる
ハイフ施術中に感じる痛みにはいくつかの原因があります。
まず、超音波がSMAS筋膜に吸収しきれず骨に伝わることで痛みが生じることがあります。
特にお顔の皮下脂肪が少ない方は、施術時に痛みを感じやすいとされています。
また、照射焦点のずれが原因で、まれにやけどや水ぶくれが発生することもあります。
さらに、照射による熱が原因で肌が一時的に乾燥し、特に日焼けが多い方は色素沈着のリスクが高まる可能性も指摘されています。
これらのリスクを踏まえ、施術を受ける際には十分なカウンセリングを受け、自分の肌状態やリスクについて理解しておくことが重要です。
効果が永続的ではない
ハイフの効果は受けてすぐに感じることもありますが、通常は効果が現れるまでに1ヶ月程度かかります。
持続期間は使用する機器により差があり、3ヶ月から1年程度です。
ハイフの効果を持続させたい場合、定期的な施術が必要になります。
多くの場合、3ヶ月から6ヶ月ごとに施術を受けることが推奨され、これにより効果を持続させることができます。
エステハイフでのトラブルが多い
ハイフには医療用ハイフとエステハイフの2種類があります。
医療用ハイフは医師や看護師が施術を行い、出力が強く、肌の深部に効果を与えます。
一方、エステハイフはエステティシャンが行い、出力が弱いため効果は限定的です。
エステハイフの場合、思ったほどの効果が得られず、副作用が出た際に医療施設のような迅速な対応が難しいため、トラブルに発展する可能性があります。
これらの違いを理解し、施術を選ぶ際は慎重に検討することが重要です。
ハイフをおすすめしない人の特徴
ハイフには向き不向きがあります。
ここでは、ハイフをおすすめしない人の特徴についてご紹介します。
顔の脂肪が少ない人
ハイフはたるみ治療に使用され、超音波をSMAS筋膜に集中照射し、皮膚の表面を傷つけずに内部から引き締めてリフトアップします。
この治療は脂肪細胞の減少も引き起こすため、顔の脂肪が少ない人は施術後、顔がさらにこけるリスクがあります。
また、脂肪が少ないと超音波が骨に直接届きやすくなり、通常よりも痛みを強く感じることがあります。
このため、ハイフ治療を検討する際は個々の顔の特徴を考慮し、医師とよく相談することが重要です。
たるみが進んでいる人
たるみが進行している場合、ハイフ治療だけでは期待する効果が得られないことがあります。
そのため、根気強く継続的にハイフ治療を受ける必要があるかもしれません。
さらに、ハイフ以外の治療法が適している場合もあります。
適切な治療法を選択するためには、事前に医師と相談し、自分に最も合った治療方法を見極めることが重要です。
医師はそれぞれの治療法の利点と欠点を説明し、個々の状態に最適なアプローチを提案できます。
このように、自分の状態に最適な治療法を選ぶことで、より効果的な結果を期待することができます。
肌トラブルがある人
肌にトラブルがある人は、ハイフ治療を避けるべきです。
特に日焼けによる肌ダメージがある状態でハイフを受けると、炎症や乾燥が悪化し、色素沈着のリスクが高まるため注意が必要です。
肌の問題がある人は、症状が改善するまで治療を延期し、炎症が収まっている場合でも医師に相談してから治療を受けることが望ましいです。
アトピー、ヘルペス、ケロイドがある人も同様で、これらの症状がある場合はハイフ治療により症状が悪化する可能性があります。
ハイフを安全に受けるためには、治療前に肌の状態を良好に保ち、適切な時期に治療を受けることが重要です。
妊娠中・持病がある人
妊娠中の人、または妊娠の可能性がある人、糸リフトで金の糸を使用している人はハイフ治療を避けるべきです。
金の糸が過熱し、火傷のリスクがあるのでNGです。
また、糖尿病、心臓疾患、自己免疫疾患、てんかんなどの疾患がある人、ペースメーカーやその他の埋め込み型医療機器を持っている人、悪性腫瘍や前癌病変がある人、血栓症や血液疾患を患っている人もハイフ治療は不適切です。
体調が悪い日にハイフを受けるのも避けるべきです。
これらの条件に該当する場合はハイフを選択しない方が安全です。
ハイフが向いている人の特徴
ここでは、ハイフが向いている人の特徴についてご紹介します。
ダウンタイムが短い施術が良い人
ダウンタイムは治療後に通常の生活に戻るまでの回復期間を指し、ハイフ治療の場合は比較的短いとされています。
治療後は内出血や赤みなどの副作用が1週間程度で現れることがありますが、これらは通常、メイクで隠すことが可能です。
メスを使用しないハイフは、その性質上、メスを使う治療よりダウンタイムが短めであるため、日常生活への影響が少ないのが特徴です。
メスを使った施術を受けたくない人
ハイフは超音波を使用して皮下組織やSMAS筋膜に作用する非侵襲的な治療方法です。
これにより、メスを使わずにリフトアップが可能で、身体に傷跡を残すことがありません。
手術に対する不安がある方や、メスを用いた治療への抵抗がある方に適した選択肢となります。
顔のたるみ・しわが気になった人
30~40代で顔のたるみが気になる人には、ハイフ治療が効果的です。
自己流のマッサージは間違った方法では皮膚に負担をかけ、たるみやシワを悪化させる可能性があります。
対してハイフは皮膚の深層部に働きかけるため、表面にダメージを与えずにたるみを改善することができ、安全性が高い治療法と言えます。
またハイフ治療は肌を直接引き上げ、シワやほうれい線を目立たなくします。
特に目元や口元など皮膚が薄い部分にも安全に照射可能で、細かい小ジワにも効果的です。
化粧品では隠し切れない肌のたるみやハリの低下に対して、ハイフは皮膚の深層部へ働きかけ、リフトアップを実現し、よりハリのある若々しい肌へと導きます。
部分痩せを目指している人
ハイフは部分痩せに効果的な治療法で、特にダイエットでは痩せにくい部位の脂肪細胞を超音波の熱エネルギーで破壊します。
破壊された脂肪細胞は体外に排出され、数ヶ月後には体の引き締まりを実感できます。
ただし、一度の治療では照射できる脂肪細胞に限界があるため、目に見える効果を得るには3~5回の治療が推奨されます。
ハイフによる部分痩せ治療の大きな利点は、一度破壊された脂肪細胞が元に戻らず、リバウンドが起こりにくいことです。
このため、特定の部位の形状改善を望む方に適しており、効率的に理想のボディラインを目指すことが可能です。
ハイフで失敗しないためのポイント
ここでは、これまで紹介してきたハイフの失敗例から反っ歯意思ないためのポイントについてご紹介します。
仕上がりのイメージを明確にする
ハイフ治療を受ける前には、カウンセリングで施術後の理想の仕上がりを医師としっかりとすり合わせることが重要です。
理想の結果を医師に伝えることで、期待と異なる仕上がりになるリスクを減らすことができます。
具体的なイメージが難しい場合は、クリニックの公式サイトにある症例写真を参考にすると良いでしょう。
また、治療のメリットだけでなく、副作用やデメリット、痛みの度合いなども確認することが推奨されます。
カウンセリングでは、不安や疑問を遠慮せずに質問し、納得のいく情報を得ることが大切です。
信頼できる医療機関で施術を行う
ハイフ治療には、医療機関で提供される「医療ハイフ」とエステサロンで提供される「エステハイフ」の二種類があります。
医療ハイフは医師や看護師が施術を行い、万が一のトラブルにも医学的な知識と対応で適切に対処可能です。
また、医療機関ではより高出力の機器を使用しており、より効果的な治療が期待できます。
一方、エステハイフはエステティシャンが施術を行うため、医学的な知識が限られており、使用する機器の出力も低く、望む結果が得られない可能性があります。
安全性と効果を考慮すると、医療ハイフの選択が推奨されます。
ハイフのリスクやダウンタイムについて把握しておく
ハイフ治療を受ける前には、リスクやダウンタイムについて十分理解しておくことが重要です。
ハイフのダウンタイムは比較的短いものの、出力の強さや照射位置によっては、副作用が発生する可能性もあります。
一般的な副作用には肌の乾燥、むくみ、赤み、腫れ、筋肉痛のような痛みが含まれます。
これらの症状は通常、数日から1週間程度で改善しますが、副作用が出たとしてもこれが治療失敗を意味するわけではありません。
ただし、症状が悪化する場合は、医療機関での受診が必要です。
これにより、トラブル時の適切な対応が可能となります。
不安な点は前もって医師に相談する
ハイフ治療を受ける前には、医師とのカウンセリングを通じて不安や疑問点をしっかりと解消しておくことが重要です。
具体的には、治療によって得られる結果や持続時間、仕上がりの感じ、痛みの有無、可能な副作用、治療後の注意点やケア方法など、多岐にわたる情報を事前に確認しましょう。
また、カウンセリングでの説明が不十分であったり、疑問が明確に解消されない場合は、そのクリニックでの治療を見送り、他の医療機関で相談をすることも検討すべきです。
治療を受ける際は、信頼できる医師からの適切な情報提供と対応が不可欠です。
正しいアフターケアをおこなう
ハイフは皮下組織に超音波を照射して内部に熱を発生させる治療法ですが、この熱影響で肌が一時的に乾燥しやすくなります。
治療後の肌は外部ダメージに敏感になるため、ハイフ後の約1ヶ月間は保湿ケアと紫外線対策を徹底することが重要です。
洗顔後には優しく保湿し、外出時には日焼け止めクリームを塗り、帽子や日傘を使って紫外線を避けましょう。
日焼けや保湿不足は肌の乾燥や赤みを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また、入浴や運動は可能ですが、過度な激しい運動は避けるべきです。
ハイフの失敗を避けるにはリスクを知っておくことも大事
今回はハイフの主な失敗例やおすすめしない人の特徴について解説してきました。
ハイフにはリフトアップ効果などさまざまなメリットがある反面、人によってはハイフに向かないケースや痛みや腫れといったリスクが生じる可能性があるので注意し寝刈ればいけません。
ハイフに失敗を避けるには事前にハイフのリスクやダウンタイムについて知っておくことが大事です。
ほかにも、信頼できるクリニックや医師に相談し、気になることは質問するのもひとつ。
今回の記事をぜひ参考にしてみてください。