糸リフトは切開を伴わずリフトアップ効果が期待できる施術として注目されています。
糸リフトにはさまざまなメリットがありますが、なかにはデメリットやリスクもあるので注意が必要です。
そこで今回は糸リフトのデメリットや後悔しないようにするためのポイントについてご紹介します。
糸リフトとは
糸リフトは、皮下に特殊な医療用糸を埋め込むことで顔のリフトアップを実現する施術です。
使用される糸は「コグ」と呼ばれる返しが付いており、これが皮膚を引き上げる役割を果たします。
糸リフトには様々な種類の糸があり、太さやコグの大きさに違いがあります。
過去には溶けない糸や金の糸が一般的でしたが、これらの糸は皮下に長期間残ることで感染症のリスクを高める問題がありました。
このため、最近では溶ける糸が主流となり、安全性が高く、体内で自然に吸収されるため現代の糸リフト治療において好まれています。
糸リフトで得られる効果
糸リフトは、特殊な医療用糸を皮下に埋め込み、その糸についたコグで組織を引っ掛けて持ち上げることで顔のたるみを改善し、スッキリとしたフェイスラインを作り出します。
特に頬のたるみは、年齢による皮膚の弛みや脂肪の下垂によって生じることが多く、糸リフトによる施術でこれらの問題を解消し、小顔効果を期待できます。
また、糸リフトでは糸を埋め込むことにより、その周辺でコラーゲンやエラスチンの生成が促されます。
コラーゲンは肌の弾力を支え、エラスチンはコラーゲン繊維をつなぎ合わせることで肌のハリとツヤを保つ重要な役割を持っています。
ただし、糸リフトだけでは十分な小顔効果を得られない場合もあり、そうした状況では頬の脂肪吸引やバッカルファット除去などの他の施術と併用することが一般的です。
どの施術が適切かは、カウンセリングを通じて医師と相談することが推奨されます。
糸リフトのデメリット
ここでは、糸リフトのデメリットやリスクについてご紹介します。
対称にならないことがある
人間の顔は本来左右非対称であり、完全な左右対称は存在しません。糸リフト施術を受けた場合、もともと左右差がある人は施術後もその差が残る可能性があります。
また、施術前に左右差が気にならなかった人が、施術後に左右差が目立つようになることもあります。
これは、施術中の糸の引き上げ具合に左右で差が出た結果として考えられ、技術力の不足が原因で起こりやすいです。
施術後に左右差が目立つ場合は、糸が溶けるのを待って、再施術により改善を目指すことができます。
フェイスリフトほどの効果は感じにくい
糸リフトは皮膚を切開することなく行われるため、切開を伴うフェイスリフトに比べて強いリフトアップ効果は期待できません。
特に目元や頬のたるみが強い場合、より効果的なリフトアップを目指すなら他の手術や施術との併用、あるいは切開を伴うフェイスリフトが必要になることがあります。
糸リフトは継続的に受けることでリフトアップ効果を維持できますが、それでも切開フェイスリフトのような顕著な結果を得るのは難しいでしょう。
糸リフトを選択する場合は、比較的穏やかな効果を理解し、期待を調整することが重要です。
効果は永久ではない
糸リフトで使用される溶ける糸は、時間が経つと体内で完全に溶けてしまいます。
これにより、糸に付いたコグも溶けてしまうため、リフトアップ効果は徐々に薄れていきます。
ただし、糸の周囲で生成されたコラーゲンやエラスチンは残り、肌のハリやツヤは一定期間維持されますが、リフトアップ効果を維持するためには再施術が必要になることがあります。
顔が引きつる
糸リフト後には、顔の引きつりを感じることがあります。
これは皮膚が糸で引き上げられる感覚に慣れていないためで、多くの場合は時間が経つにつれて慣れていきます。
しかし、しゃべりづらさや口の開けづらさなどの症状が出ることもあるため、注意が必要です。
引きつり感は術後1~3日で多く見られ、1~2週間でほとんど気にならなくなりますが、違和感が強い場合は医師に相談することが推奨されます。
感染症のリスクがある
糸リフトの施術中には、非常にまれですが感染症を引き起こすリスクが存在します。
これは糸を挿入する際、髪の毛や菌が皮膚内に侵入することによって炎症が発生することが原因です。
しかし、クリニックではこのリスクを最小限に抑えるため、施術部位の毛を剃るとともに、糸や器具の衛生管理を徹底しています。
感染症のリスクをさらに低減するためには、糸リフトの施術実績が豊富で、衛生管理がしっかりと行われているクリニックを選ぶことが重要です。
糸リフトに向き・不向きがある
糸リフトには向き・不向きが存在し、全ての方に同じ効果が得られるわけではありません。
特に頬の皮下脂肪が多い方は、脂肪の圧によりコグが外れるリスクがあり、効果を得にくい可能性が高いです。
逆に、脂肪が少なすぎる方ではコグが組織に引っ掛かりにくく、期待するリフトアップ効果が得られないこともあります。
このため、施術の適性については医師とのカウンセリングが重要です。
また、糸リフトは医師の技術やデザインセンスに大きく依存するため、医師によって仕上がりに差が出ることがあります。
これは美容整形全般に言えることですが、医師のセンスが自分の期待と異なる場合、仕上がりに不満を感じる可能性もあります。
医師選びには、症例写真や動画を通じて、その医師のデザインセンスが自分に合っているかを確認することが推奨されます。
施術後に痛み・引きつることがある
糸リフトの施術は局部麻酔の下で行われるため、施術中の痛みはほとんどありませんが、施術後には糸を挿入したこめかみや頬などで痛みを感じることがあります。
この痛みは通常耐えられないほどではありませんが、場合によっては医師に相談することが必要です。
また、顔の引きつりを感じることもあり、これは糸で皮膚が引き上げられる感覚に慣れていないためです。
引きつり感は術後1〜3日で最も多く、1〜2週間でほとんど気にならなくなることが一般的です。
しかし、しゃべりづらさや口の開けづらさなどの症状が現れる場合もあり、その際は注意が必要です。
違和感が持続する場合は適切な対応のために医師の診察を受けるべきです。
糸リフトのメリット
ここでは、糸リフトのメリットについてご紹介します。
皮膚を切らずに施術できる
糸リフトの最大のメリットは、皮膚を切開したり組織を切除することなくリフトアップを図れる点です。
これに対して、従来のフェイスリフトはリフトアップ効果が高いものの、ダウンタイムが長く、傷跡が残りやすく、修正が難しいデメリットがあります。
糸リフトでは、使用される糸が時間とともに体内で溶けるため、必要に応じた修正が比較的容易に行える利点があります。
短期間で効果を実感しやすい
糸リフト後、最初の1週間は引きつれ感や口を開きにくいなどの不快感が生じることがありますが、糸が組織に馴染むと、短期間でリフトアップ効果を実感できるというメリットがあります。
ダウンタイムが短い
糸リフトはフェイスリフトに比べて術後の腫れや内出血が少なく、ダウンタイムが短いというメリットがあります。
ただし、使用する糸の種類や本数、お客様の体質によってダウンタイムの期間には個人差があります。
通常、術後1週間で目立った腫れは引きますが、内出血が強い場合は約3週間の腫れが続くことがあります。
術後の注意点を遵守することで、ダウンタイムが長引くリスクを最小限に抑えることができます。
これらの注意点については、施術を受けるクリニックの医師やスタッフから詳しく説明がありますので、指示に従ってダウンタイムを効果的に乗り切ることが重要です。
糸リフトで後悔しないためのポイント
ここでは、糸リフトで後悔しないようにするためのポイントについてご紹介します。
デメリットやリスクをなるべく避けたいといった方はぜひ参考にしてみてください。
糸の種類をチェックする
糸リフトには溶ける糸と溶けない糸の2種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
溶ける糸は体内で自然に吸収されるため、体内に糸が残るリスクがなく、ダウンタイムも短いです。
一方、溶けない糸はリフトアップ効果が高いですが、糸が体内に残り続けるため感染症のリスクが伴います。
自分の求める効果やリスクを考慮して、最適な糸を選ぶことが大切です。
自分に合った糸を選ぶためには、それぞれの特徴を理解し、自分の希望に合致するかを判断することが重要です。
口コミや実績の多いクリニックを選ぶ
糸リフトを受ける際には、在籍している医師の実績を確認することが重要です。
医師によって得意とする分野や施術が異なるため、糸リフトの症例が豊富な医師がいるクリニックを選ぶことが望ましいです。
自分の理想とするフェイスラインや同じような症例が多く取り扱われているクリニックを選べば、施術後の満足度が高まる可能性があります。
いくつかのクリニックでカウンセリングを受けるのもひとつ
自分に合ったクリニックを見つけるためには、ひとつのクリニックだけで判断するのではなく、複数のクリニックでカウンセリングを受けることが重要です。
カウンセリングを受ける際は、費用の目安や院内の雰囲気を確認するとともに、カウンセリング自体にどれだけ力を入れているかも確認することが望ましいです。
施術の満足度を高めるためには、自分の悩みや希望を医師にしっかり伝える必要があります。
そのため、患者の悩みや希望をしっかり聞き取り、施術計画に反映してくれるクリニックを選ぶことが、望む結果を得るためには不可欠です。
糸リフトはデメリットもおさえて自分に合う方法を選ぶのが大事!
今回は糸リフトのデメリットや後悔しないようにするためのポイントについてご紹介してきました。
糸リフトはメリットだけではなく、「人によっては思ったような効果が得られない」「効果が半永久的ではない」「施術後などに痛みや引きつりを感じるケースがある」といったデメリットやリスクがあるので注意が必要です。
糸リフトの施術を検討する際は、事前にデメリットをしっかりと理解した上で、自分に合う糸の種類やクリニックを選ぶことが大事。
今回の記事を参考に糸リフトのデメリットを踏まえて自分に合った方法を見つけてみてくださいね。